鍼灸施術とは、鍼で皮膚をすったり刺したりして刺激を与え、体調不良や体調改善に導く施術方法です。
日本の伝統医学とされる鍼灸ですが、一方で「効果はあるのだろうか?」など、鍼灸へ疑問を呈する声もあります。
しかし、鍼灸は「不妊」や「月経の不調」など幅広い分野のケアに用いられており、施術には国家資格が必要です。
鍼灸で症状が緩和されるメカニズム
当院で使用する鍼は注射針の1/3 程度、髪の毛ほどの細さになります。
刺したときに皮膚の抵抗が少なく痛みもほとんどありませんが、鍼が身体に入ることで、顕微鏡レベルで筋肉を切ることができます。
筋肉は切られた部分を治そうとして血液を集めます。
集められた血液の中には熱、酸素、栄養が含まれているため、切られた部分が潤い、老廃物や毒素を流してくれます。
それと同時に、頭の中では「異物が体の中に入ってきた!」「筋肉が切られているからやばい!」という反応が起こり、身体をどんどんどんどん良くする働きが起こります。
施術を受けながら、身体の力が抜けていくのを感じられるでしょう。
温泉に入るときと一緒で、最初は少しあついと思いますがどんどんじわーっとリラックスしていくのはイメージできますか。それとおんなじような反応が起こります。
これが鍼の最大の特徴。
リラックスをうながすことができるのです。
ただし、刺激を入れすぎると湯あたりと一緒で鍼あたりと言うものがあり体がだるくなります。
刺激量は私たちにお任せください。安心安全に配慮しております。
鍼は痛い?お灸は熱い? 実は身体に優しい療法
皆さんは鍼と灸にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
まだ鍼灸治療を経験されたことがない方ですと、“鍼は痛い”、“灸は熱い”といったイメージをお持ちの方も少なくありません。
しかし、薬を使えない妊婦の方でもお受けいただける「優しい療法」と評価されています。
鍼について
鍼灸で使われる鍼は髪の毛程度の細い鍼がよく使用され、その細い鍼を痛みを感じないように考案された方法で施術します。
痛みに対する感じ方は個人差がありますが、例えば指先などの末端部分では打ち方により痛みを感じる場合もあります。
それは「チクッ」とする蚊にさされる程度の感覚で、足の小指をタンスの角にぶつける方が遥かに痛いです。
施術を受けると「これだけ?」と仰る方は少なくありません。「大丈夫でした!」と笑顔になられる方がほとんどです。
また、日本で、鍼を打つ際に使用する鍼管(しんかん)が発明されて以来、非常に細い鍼をほぼ無痛で刺入することを可能となり、その打ち方が現在主流となっています。
ごく稀なケースではありますが鍼の施術部分が内出血(皮下出血)を起こすことがあります。その場合、紫色または黄色の跡が3~10日前後残りますが、消えてなくなりますのでご安心ください。
また、鍼の痛みとは別に鍼独特の「ひびき」というものがあります。人によりずーんと重い・だるい・電気が走るといった様々な感覚が生じる場合があります。
これは鍼が身体にきちんと働いている証拠で、時間とともに軽減するため心配はありません。
この感覚は心地よく感じる方もあれば苦手という方もいらっしゃいます。気になる方は刺激量を調節いたしますので、遠慮なくご相談ください。
鍼灸の鍼と注射の針の違い
▪️太さ
注射針の太さは約0.7~0.9㎜。対して、鍼灸でよく使われる鍼は0.14~0.34㎜と注射針の約3分の1の太さ。刺したときに皮膚の抵抗が少なく、痛みもほとんどありません。
▪️先端の形
皮膚や血管を破るために、先端がナイフのようにカットされている注射針に対して、鍼灸の鍼は皮膚や筋繊維の間を優しくかき分けて入るように、先端が丸みを帯びています。
灸について
お灸はもぐさに火をつけて燃やすため、基本的にはほんのり温かく感じます。
様々な種類があり症状により使い分けるため、人によっては温かく気持ちの良いものもあれば、一瞬チクリと熱さを感じるものもあります。
当院で扱うお灸は「間接灸」といって直接皮膚に当たることなく、気持ちいい温かさだけを伝えるお灸です。
また、お灸はほとんど痕が残らず、我慢できない熱さのものはありません。
子供を叱ったりする時に「お灸をすえる」という表現もありましたが、現在のお灸は心地よいものになりました。
銀座にはお灸のショールームがあるほどですし、お灸女子という言葉も、最近よく耳にします。
鍼は痛いものではなく、お灸は熱いものではありません。
しかも、副作用もほとんどなく体の健康を増進し、あらゆる疾患に効果があります。
最近では美容に効果のある美容鍼灸も注目されています。
WHOにも認められている鍼灸
実は世界中で鍼灸は効果的だという論文報告があります。WHOにも認められております。
最近、アメリカの国立衛生研究所の見解で鍼灸は各種の病気に対する効果は科学的に根拠があり、西洋医学の代替治療として有効であると発表がありました。
以下のような症状に有効性があるとのことです。
【神経系疾患】
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
国家資格「鍼灸師」について
鍼灸師になるには,厚生労働省が認定した鍼灸学校を卒業して、国家試験に合格しなければなりません。
鍼灸学校の教育課程は厚生労働省で規定されており、最低94単位以上2655時間以上の講義、実習を受けることとされており、知識・技術の習得に邁進する3年間を過ごします。
ここまるに勤務する鍼灸師は、日々の臨床を真摯に振り返り、院内カンファレンスで精度を向上させ、お客さまの心身の不調改善を全力でサポートさせていただきます。
心身の不調を改善したその先のある、お一人お一人の自己実現を全力で応援していく視点をもち、日々の施術に取り組んでまいります。